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■第一回その1:シックス・ストリング・サムライ(02.11.19)

→産経での紹介

 パッケ裏に聞いた事のある作品の名前が跳梁跋扈していて借りる前からにやけ笑いが止まらなかったのですが、「マッドマックスっぽい世界観でベンチャーズっぽい音楽に乗せた子連れ狼っぽいストーリーが展開される」ものらしいです。
 そういや俺はマッドマックスを見てないんですけど、荒廃した大地でトップを目指す男達がギター片手に暴れ回るお話だっつー事だけ理解してれば良さそうだったな。

 とにかく、全編を通して「好き放題」という言葉が駆け巡る作品だったなと。
監督のランス・マンギアって人はこの作品しか手がけていないようなのですが、

「俺の考えるカッコ良いシーン・カッコ良い映画ってのはこうだ!こうだ!こうだ!こうだ!どうだ!イカすだろ?」

という主張がカットごとに滲み出ておりました。

 で、その主張を事実とするだけのイカした世界が確実に存在するのもすげえ。主役のジェフリー・ファルコン(メガネ)がしっかり仕事をこなしているってのが大きいっつか、とにかくコイツカッコ良いです。作品中ほぼ途切れることなく流れ続けるギターのメロディもしっくり来ますな。
 ラスト付近、メガネが走る後ろで爆風が乱舞するという構成はまんま特撮のエッセンスだと思うのですが、その他いろんな面で日本が好きなんだなーと思わせる部分がありました。そういやスターウォーズっぽいシーンもあったよ。

 監督の(表現面に対する)自己主張を最大限に取り入れた結果、ストーリー展開はおざなりどころか本当にどうでも良くなっています。というよりも、見(せたい)シーンを10個ぐらい考えて、それらを全部まとめるためにシーン間を無理矢理繋げただけって言った方が分かりやすいか。カットごとにギターを持っていたり持っていなかったり、いきなり砂漠に妙な穴が点在するようになったり、「何で?」と思うようなシーンは枚挙にいとまがありません。

 …でも、映画の見方には「良いじゃん!カッコ良いんだから!」で済ませても許容される一面があるのね。この映画を薦めてくれたTKO氏は、この映画はその筋では有名な作品だっつってましたが、俺の今まで持っていた感覚とは違う所に評価すべき点があるんだなーって事をとりあえず理解。その辺同じベクトルを向いているという「バーサス」ってヤツも今度見てみるか。

 結論としては…
 最高にバカでした。こういうのなら何度でも見たい。

 とりあえず、ランス・マンギア監督に俺が聞いてみたいのは…
 再三再四取り上げられながら設定ごと忘却の彼方へ葬られたレンチの意義とほうれん草モンスター、そしてカニバリストなサイコ一家のおにゃのこが山川恵里佳にそっくりだった理由です。
 この人、まだ映画界に残ってるのかな。

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